退職代行で失敗やトラブルなく利用するには?注意点や利用法をまとめました
最終更新日:2021年08月25日
「退職を言い出しにくい」職場ならば、退職代行サービスの利用がおすすめです。ただし、退職代行は最近になって注目され始めたサービスですから、「どんなサービスかわからない」「あやしそう」「使ったら逆にトラブルになるのではないのか?」といった疑問や不安を持っている人も多いのではないでしょうか?
この記事では、退職代行は違法ではないのかといったことも含めて、サービスを利用する上での注意点や気を付けたいトラブルを解説していきます。
目次
退職代行で起こる可能性がある失敗やトラブル
退職代行とは、本人の代わりに退職のための手続きを行ってくれるサービスのことです。サービス内容は、退職代行業者ごとに異なりますが、退職を本人に代わって会社に通知してくれたり私物を受け取りに行ってくれたりします。便利なサービスですが、失敗やトラブルが発生することもあるのです。
「退職できなかった」ということはまずない
まず、知っておきたいのは退職代行業者を利用したけれど辞められなかった! というトラブルは、まず発生していないということです。
「退職代行のせいで、辞められなくなることもある?」といった心配はしなくても良いといえるでしょう。
退職は労働者の権利です! ですから、雇用の解除をお願いして断られることは基本的にはありえないのです。
会社から連絡が来てしまう
パワハラなどが原因となって辞める場合、退職を通知したあとは会社と連絡を取りたくない! と感じる人は多いでしょう。
このような場合、退職代行業者は「こちらが窓口になりますので、直接本人と連絡を取らないでください」と会社に伝えてくれます。
もしも、あなたがパワハラに合っていて退職を考えている場合は、こちらの記事で退職前の準備や注意点を解説していますのでぜひあわせてご覧ください。
しかし、会社は労働者に自由に連絡できる権利を有しています。ですから、いくら代行業者が窓口になると言っても、その申し出を守る義務は会社側にないのです。
その結果、代行業者を飛ばして、本人に「まずは話し合おう」「一度、会社に来なさい!」といった連絡が上司から来てしまいトラブルになることもあるのです。
懲戒解雇処分になった
まず、懲戒解雇とは、労働者側に重大な問題があって、社内の秩序を著しく乱した場合にペナルティとして行う解雇のことです。退職代行を理由に懲戒解雇になる可能性は低いですが、「会社と個人の問題である退職を、第三者に依頼した」という理由で懲戒解雇されてしまうこともあります。
退職代行を理由とする懲戒解雇は法的には認められません。ですから、弁護士などに依頼して懲戒解雇を取り消してもらうようにしましょう。
ただし、悪質な退職代行業者を利用してしまって、会社に不利益を発生させてしまったり退職代行業者が違法行為をしたりした場合は、懲戒解雇が法的に認められてしまうこともあります。業者選びはきちんとするようにしましょう。
退職代行の利用に理解のない人がいる
退職代行は便利なサービスです。ですが、まだまだ歴史が浅いので、退職代行に理解のない人がいるのも事実です。
そのため、「退職ぐらい自分で伝えればいいのに」や「そんなことも自分で言えないのは社会人失格」などと言われてしまうことがあるのです。
ただし、そのような人たちは、本人が辞めるといっても文句を言うものです。このような意見は無視していいでしょう。
詐欺の退職代行業者も存在している
退職代行業者の大半は健全ですが、なかには詐欺会社も存在しているので注意が必要です。お金を振り込んだあとは連絡が一切来なくなった! という例も存在しています。
5万円で代行します! と言っておきながら、オプションで10万円必要です! などと言って、最終的にはかなりの大金を支払うことになったという例も存在しています。
さらに、依頼をしてお金も支払ったのに、迅速に対応してくれず、結局、退職のやりとりなどを自分でやることになった! ということもあります。退職代行の依頼費用は5万円程度はするので、決して安い金額とはいえません。退職前の物入りなときに、余計なお金は使いたくありませんね? 悪質な代行業者が存在していることも知っておく必要があるのです。
非弁行為で逆に会社から訴えられる
退職代行業者の中には、弁護士事務所が運営しているものもあります。しかし、多くの退職代行業者は弁護士資格を持たないスタッフが運営しています。
弁護士法72条によって、弁護士又は弁護士法人でない人は「交渉」といった法律事務行為をしてはならないことが決められているのです。仮に、弁護士でもない人が「交渉」といった行為をすると非弁行為といって罪に問われることになってしまいます。
多くの退職代行業者は、非弁行為を働かないように、「交渉」といった法律事務行為を行いません。しかし、知識不足の退職代行業者は、「交渉」といった行為をしてしまい、会社から非弁行為を働いたということで訴えられてしまう可能性があるのです。
加えて、退職代行業者が非弁行為を行った場合、退職成立後であっても退職手続は無効となってしまう可能性もあります。きちんと知識がある退職代行業者であり、非弁行為を働いていないかを事前に確認しておく必要があるのです。
そもそも…退職代行は違法ではないの?
退職代行に理解のない人がいるということを先ほど確認しました。
そのような人は「そもそも会社と労働者との間のプライベートな話なのに、他人が首を突っ込んでもいいのか?」「退職代行は違法ではないのか?」といったようなことをきいてくるかもしれません。
実は、退職代行業者が手続きなどを代行することが違法になることもあるのです!
パワハラなどで会社と揉めている場合、代行業者に話し合いや交渉をしてほしいと考えることでしょう。しかし、本人の代わりに交渉をすることが許されているのは弁護士だけなのです。
もしも、弁護士資格を持っていない代行業者が、退職交渉などを行うと、弁護士法違反になり、依頼者であるあなたは警察から事情聴取される可能性もあるのです。
逆にいうと、弁護士資格のある従業員がいる代行業者ならば違法にはならないので、弁護士資格の有無をきちんと確認しておけば、罪に問われることはありません。
事前確認必須!失敗しない退職代行を選ぶポイント6つ
退職代行業者には詐欺まがいの業者もあります。しかし、以下の6つのポイントを確認しておけば失敗しません。
退職をお急ぎの方向けに、こちらの記事では15社の退職代行サービスを一気に比較検討できるようにまとめて紹介してます。ぜひあわせてご覧ください。
料金は異様に安すぎないか?
退職代行サービスは、3~5万円程度が相場です。この相場よりもかなり安い業者は、訳アリの可能性が高いので注意しましょう。
オプション代金などといって料金を請求される可能性もあります。料金体系が明確かなども確認しておきましょう。
弁護士資格の有無
退職を交渉してもらうためには、弁護士資格のある代行業者にお願いしなくてはなりません。無資格の代行業者にお願いしてしまうと、きちんと交渉をしてもらえなかったり、罪に問われてしまったりする可能性があるのです。
代行業者のサイトなどを確認して、弁護士資格があるかをチェックしておきましょう!
過剰な広告表示をしている業者は避ける!
退職代行業者を探していると、「業界最安値更新!」や「業界満足度第一位!」といった過剰な広告をしている業者を発見するはずです。
このような誇大広告は、「景品表示法」という法律に違反しています。法律を守れない業者が、違反行為をせずにうまく退職交渉や手続きをしてくれる可能性はきわめて低いです。過度な表現のある業者はさけましょう。
成功実績件数などをあげている業者を選ぶ
退職代行業者を選ぶ場合は、確かな実績のある業者を選ぶのが大切です。
成功実績多数といった曖昧な言葉で濁している業者ではなく、具体的な数値をあげている業者を選ぶのがポイントといえるでしょう。
対応可能な範囲が希望とあっている業者を選ぶ
一口に退職代行業者といっても、サービス内容はさまざまです。会社に残された私物の引き取りなどをしてくれる業者もあれば、書類関連の手続きの補佐しかしてくれない業者もあります。
自分がどこまで依頼したいのかをきちんと把握して、依頼したい内容をカバーしている業者を選ぶようにしましょう。
口コミなどをチェックする
依頼したい退職代行業者が決まったのならば、その業者の名前などをネットで検索して口コミをチェックしてみましょう。
口コミサイトなどの場合、業者によるステマなどが混ざっている可能性もあるので、Twitterの検索機能を活用して、一般の人の評価を見るようにしましょう。
この際に、あまりにも口コミが少ない業者や悪い口コミだらけの業者は、利用を避けるようにしましょう。
また、こちらのサイトでは34社の退職代行業者の比較情報や、退職にまつわるお役立ち情報を掲載していました。当サイトの情報と併せてチェックしておくとよいでしょう。
【34社完全比較】退職代行業者のおすすめ人気ランキング!2021年の安い・即日・安心のサービスを厳選|退職代行マイスター
おわりに:退職代行業者をしっかり選んでトラブルなく辞めよう!
退職代行は、本人の代わりに退職を通知し、その後の手続きのフォローもしてくれます。なかなか辞めたいと言えない人には心強いサービスです。
しかし、弁護士資格のない代行業者やお金をだまし取る業者も存在しているので注意が必要といえます。
評判の良い代行業者に依頼をして、退職の悩みに決着をつけるようにしてくださいね。