会社を辞めたいと思う5つの理由、仕事を辞めたいと思った時にすべきこと
最終更新日:2020年11月13日
本記事にたどり着いた方は、仕事に疲れ心身ともに疲弊されているのではないでしょうか。「もう、明日から出社できない」と感じてる方も、おられると思います。
世の中、毎年いろんな理由でたくさんの方が退職し、新天地で働いておられます。きっとあなたにも、それができるはずです。
多くの人がどんな理由で退職したのか、退職の準備はどんなことをすればいいのか、本記事でご紹介します。もしあなたにも転職が必要なら、ぜひ参考にしてください。
目次
【タイプ別】会社(仕事)を辞めたい理由
さっそくですが、世間ではどういう理由で仕事を辞める人が多いのでしょうか。
厚生労働省が平成30年度の「若年者雇用実態調査」の結果を公表していて、この中に「卒業後初めて勤務した会社をやめた主な理由」という項目があります。
この上位5位は、以下のとおりです。
2:人間関係がよくなかった(26.9%)
3:賃金の条件がよくなかった(23.4%)
4:仕事が自分に合わない(20.1%)
5:ノルマや責任が重すぎた(13.9%)
順番に、詳しくみていきましょう。
1位、労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった
退職理由としてもっとも多くあがったのが「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」です。退職者の勤続年数にかかわらず、どの世代でも主たる退職原因になっています。
「疲れやストレスがたまり、休日は寝るだけ」「残業続きで意識がもうろうとした」といった状態になり、限界を感じて退職に踏み切る方もいるようです。
「早く仕事を終わらせても、どんどん仕事をふられる」「どう考えてもこなせない量の仕事が残ってるのに、残業禁止令が出た」など、労働時間と仕事量のアンバランスから辞める方もいます。
「休日なのに、社内イベントに強勢参加させられ退職を決意した」という例も少なくないでしょう。
2位、人間関係がよくなかった
2位は「人間関係がよくなかった」で、勤続1年未満では最も多い退職理由です。
男女間や世代間の軋轢(あつれき)はよくある話。先輩からのパワハラやセクハラ、命令がコロコロ変わる上司の朝令暮改に悩まされている方は多いでしょう。反対に、年下の横柄な態度に辟易している方も多いかもしれませんね。
「女性どうしが裏でコソコソ陰口を言いあうのに疲れた」とか「少ない仕事をダラダラやってる同僚に腹が立つ」といった同世代の不仲もよくあります。
最終的には人間関係でウツになり、辞めざるを得なくなる人もいます。
3位、賃金の条件がよくなかった
3番目に多かった退職理由は「賃金の条件がよくなかった」でした。とくに勤続1~5年目の人から多くあがっています。
給料は、モチベーションに大きく影響します。「仕事量と給与額が見合ってない」とか「自分よりサボってる人と同じ給与額なのは、納得いかない」と感じると、転職を考えたくなりますよね。
やり甲斐ある仕事や好きな仕事であっても、給料が安いと続きません。
4位、仕事が自分に合わない
4番目に多かったのは「仕事が自分に合わない」でした。勤続1年未満の人に多い退職理由です。
「興味がない部署に配属された」や「性格と合わない仕事をさせられる」など、自分と仕事のミスマッチに気づいて入社後すぐに辞める人もいます。
「毎日毎日、同じ仕事で嫌気がさした」や「お客様をだましてるようで心苦しい」といった理由から、働くうちにやり甲斐をなくすのもよくある話です。
仕事のミスが多くて上司に叱られ「自分は仕事ができない人間だ…もう辞めたい」と感じる人も多いようです。
5位、ノルマや責任が重すぎた
5位は「ノルマや責任が重すぎた」です。この項目は、勤続年数問わず退職理由の上位に挙がります。
販売や営業職種から「売れと言われても、売れないものは売れない」、管理職から「上と下との板挟みで、精神的につらい」などの声が聞こえてきそうですね。
医療現場では「人の命を預かる責任の重圧に耐えかねた」と辞める人もいるそうです。仕事と関係ない「社内の飲み会の幹事をやらされ、うんざりしている」という理由もありますね。
こんなときはやめ時かもしれない
仕事をやめたくなったら、無理に仕事を続ける必要はありません。特に以下のような状態のときは、やめ時と判断すると良いでしょう。
- 心や体の調子が悪い
- 休みが取りにくいなど、プライベートな時間が取れない
- 仕事に刺激を感じない
- 昇進や昇給のチャンスがない
仕事のストレスなどで体に疲労を感じていたり鬱のような症状が出ていたりするならば、すぐにでもやめるべきでしょう。プライベートな時間が取れないなど、仕事によって自分の人生や時間が阻害されているのならば、無理に仕事を続ける必要はありません。
また、仕事の量が適切であっても、仕事をしていても刺激や成長を感じられないならば、やめどきかもしれません。昇進や昇給のチャンスがない場合も同様です。その職場にいることで、自分の未来が明るくなると感じられないならば、成長のために転職してみるのもありでしょう。
会社を辞めたいと思った時に考えておくこと
仕事を辞めたくなったからといって、すぐに辞めるのは無謀です。本当に「退職」が唯一の問題解決方法が考え、計画的に進めましょう。
まずは、先述の「会社をやめた主な理由、トップ5」を参考に、なぜ辞めたいのか理由を整理します。それと同時に、退職理由や悩みをなくす方法がないか検討するといいです。
さらに、以下の2つは必ず考えておく必要があります。
- 辞めるリスクはないか
- 転職先が決まるまでの蓄えはあるか
たとえば、新卒1年目の退職はリスキーです。スキルや経験がまだ身に付いてないうえ、転職先の採用担当者から「また辞めてしまうのでは?」と懸念され、採用を見送られるかもしれません。
勤続年数が短いと、今のお勤め先や学歴がよくても書類で落とされるケースもあります。面接では必ず退職理由を聞かれると考え、回答を準備しておく必要があります。
2年目以降も、油断できません。業種や職種を変えて転職する方は、年収ダウンも覚悟する必要があるでしょう。
転職活動が長引けば、預金(貯金)が尽きることも考えられます。3~6か月程度は預金だけで暮らせる余裕がないなら、転職先を決めてから退職する方が安全です。
転職すれば問題が解決するのか、他の方法はないのか、検討することも必要でしょう。あなたの退職理由は、異動すれば解決するかもしれません。大事なのは、退職が最善の選択肢であるかをよく考えることです。
ここまで考えて「会社を辞めるのが最善」ということになれば、円満退職のための「表向きの退職理由」を考えましょう。引き止めにくい、個人的な理由にするのがコツです。
例をあげてみましょう。
- もう内定をもらっている
- 将来やりたいことができた
- 新しく会社を立ち上げたい
- 家業を継ぐため実家に帰る
- 親の介護のため実家に帰る
- 家族が転勤することになった
- 最近、体調がすぐれない
どこの業界も狭く、退職時にもめるとウワサで広まることもあります。嘘も方便。わざわざ揉めたりしないよう、ばれない理由で引き止めを阻止しましょう。
こちらの記事では、転職を決めた方用の伝え方・切り出し方や手順、役立つ文例を紹介しています。ちょっとした言い回しの違いで相手への伝わり方も変わってきますから、とくに文例を参考にしていただき、自分が最も伝えやすい言葉で伝えてみてください。
会社をやめたいと思ったら試しておくべきこと
会社をやめる前に、ダメ元で以下のようなことを試しておくと道が開けてくる可能性があります。
- 有給休暇を数日連続で取ってみる
- ダメ元で交渉してみる
- 思い切って仕事を全力で楽しんでみる
冷静な判断や良いアイデアを得るためには、十分な休息が不可欠です。まずは、有給休暇を活用して、数日仕事から離れてみましょう。この期間にのんびりと退職について考えると良いですし、リフレッシュしたことで仕事への気力が沸き起こってくる可能性も。
また、どうせやめる予定ならば、ダメ元で仕事の不満や待遇改善を交渉してみたり、信頼できる人に相談してみたりするのもよいでしょう。意外と、良い方向に進み、仕事をやめる理由がなくなる可能性も。
最後に、やめる前に全力で仕事を楽しんでみるのもありです。自分の中で目標を設計して、目標達成に向けて努力してみましょう。仕事にやりがいを見つけられる可能性もありますし、周囲から必要な人として評価されて、職場にいやすくなる可能性もあるのです。
会社を辞めると決めた後にすべきこと
つづいて、仕事を辞めると決めた後にやるべきことをご紹介します。まず、すぐに次の2つに取り掛かりましょう。
- 退職願(退職届)を出すタイミングを考える
- 引継ぎの準備
雇用期間を定めていない社員は、民法上(627条)、2週間前に退職の意思を伝えれば辞められます。ですが会社の就業規則に従ったり繁忙期を避けたりする方が、揉めるリスクが下がるでしょう。
引継ぎの準備もしておくと、よりスムーズに退職できます。
働きながら転職活動するか、辞めてから転職活動するか、決めておくのも大切です。それぞれメリットとデメリットがあるので、よく検討しましょう。
- 【働きながら転職活動する場合】
- 収入があるので妥協せず活動できる
- 内定が決まったことを理由に退職できる
- 仕事が忙しいと転職活動が二の次になる
- 面接の日程調整が難しい
- 【辞めてから転職活動する場合】
- 資格取得の勉強や情報収集する時間がある
- 面接の日程調整がやりやすい
- 預金が尽きる前に転職する必要がある
- 緊張感が解け生活が乱れやすい
転職で役立つような実績が作れるなら、積極的に取り組みましょう。希望の職種に活かせる資格があるなら、挑戦してみるのもいいでしょう。
それほどレベルが高くないスキルでも「職種のスキル×英語」のように組み合わせることで強みになります。
退職はセンシティブな問題なので、悩むことも多いでしょう。そんなときは1人で考え込まず、誰かに相談することも大切です。あなたの周りに、こんな人はいませんか?
- 社外の信頼できる人
- 転職経験者
- 転職のプロ(転職エージェントなど)
ここまで徹底的に準備が整っても、いざ退職の意思を伝えるとなると躊躇(ちゅうちょ)するものです。そんなときは、まず「退職願い」を書いてみましょう。
退職願いを常にカバンに忍ばせておけば、心の準備が整ったり言い出すチャンスが訪れたとき、すぐに行動できます。
会社を辞めにくいときは
実際のところ「退職します」が言い出せない方は、たくさんいます。引き止められたり、上司に叱責されたり、退職届を受け取ってもらえなかったり。いろんなケースがあります。
ですが、退職は労働者の権利です。信念ある退職で、前進しましょう。あなたが辞めることで会社が回らなくなったり後任が決まらなかったとしても、それは会社の責任だから大丈夫です。
どうしても言い出せないなら、退職代行サービスを使ってみてはいかがでしょうか。多くの方が退職代行サービスを使い、出社することなく退職に成功されています。
こちらの記事では、退職代行サービス15社をまとめて紹介しています。自分に合ったサービス選びの参考にしてみてください。
おわりに
退職理由としてあがるのは「労働条件・人間関係・賃金への不満」、次いで「仕事が自分に合わない」や「ノルマや重責に耐えられない」が多いようです。
仕事をやめたいと思ったときは、なぜそう思うのか、退職以外に解決方法はないのか、退職するとどんなリスクがあるか検討しておくとよいでしょう。そのあと、転職活動や引継ぎの準備を始めましょう。
「退職します」が言い出せない、退職を引き止めされるなどで、続けるのか辞めるのか決心せず先送りしても良いことはありません。退職代行サービスを使って辞める方法もあるので、うまく活用して前進してください。